2025年11月29日(土)、JWEF女性技術者に贈る奨励賞・授賞式を開催いたしました。
本賞は、職場においてリーダーシップを発揮し活躍している若手女性技術者をロールモデルとして表彰するものです。仕事を遂行する上での行動・手法・成果が社会や会社の意識・風土改革につながり、さらに若手の希望となる存在となっている女性技術者を毎年表彰し、女性技術者のロールモデルとして発信しています。
2009年に、元JWEF運営委員長で元東京医科歯科大学教授の都河明子氏の寄付をきっかけとして創設され、今回が17回目となりました。
本年はアルカディア市ヶ谷(東京都)にてオンサイト/オンラインのハイブリッドにて授賞式・受賞記念講演・記念シンポジウムを執り行いました。
理事長 行木陽子より授賞者の発表と選考理由について報告し、PMI日本支部様小川原陽子氏より授賞者の方に花束を贈呈頂きました。

左より 行木理事長と河野氏//行木理事長と小境氏(ロンドンよりオンラインにて出席)、代理出席山森氏
■2025年度受賞者と選考理由■
『2025年度JWEF女性技術者に贈る奨励賞』 ㈱オリエンタルコンサルタンツグローバル 河野絢香氏
・技術を軸として業務されており海外での経験も長く、多様性の視野が非常に広い。
・キャリア実現のために転職を経て、その広い視野を活かしながらご活躍されている。
・JWEF奨励賞には過去に受賞者のいない建築分野の技術者。
『2025年度JWEF女性技術者に贈る奨励賞 審査員特別賞』 ㈱NTTデータ先端技術 小境彩子氏
・派遣社員としてキャリアをスタートされ、現在ではセキュリティ分野で技術者として活躍されている。
・社内にて「Intelli女子部」という社内コミュニティを設立・運営され、ボトムアップ、トップダウンの両方向から社内の風土改革に取り組まれている。
■お祝いの言葉■
本年は昨年の奨励賞受賞者、日本アイ・ビー・エム システムズ・エンジニアリング株式会社 野村有加氏、協賛していただいたPMI日本支部小川原陽子氏が会場にお越し下さりご祝辞をいただきました。
また、オランダ大使館オランダ大使館 駐日オランダ王国大使ヒルス ベスホー・プルッフ 氏と経済産業省 経済産業政策局 経済社会政策室長 高木悠一氏よりご祝辞を頂きました。

左より 野村有加氏、小川原陽子氏、ヒルス ベスホー・プルッフ 氏、高木悠一氏
■記念講演■
・河野氏「私だからできる、世界のためにできること」
・小境氏「マインドチェンジのススメ」
のご講演をいただきました。
講演の中で河野さんの“こだわらないことにこだわる” という言葉は特に印象的でした。こだわりを持たないながらも、自分らしさは保ち、人生を楽しむ姿勢は、変化の激しいVUCAの時代を生きる私たちにとって大切な視点だと感じました。柔軟さと前向きさを併せ持つその姿勢は、選択肢の多い現代において、軽やかに進むためのヒントを与えてくれるものでした。
小境さんの講演では勧められたことに素直に挑戦し、自分の未知な領域を広げることの大切さを感じました。また、自ら積極的に情報発信することで相手の発信のハードルも下げていく、その姿勢はテクノロジーに囲まれた現代においても、人と人とのコミュニケーションを深めるうえで非常に大切なことだと感じました。
お二人から発せられた言葉は、後進の若手技術者や理工系学生、中高生だけでなく、各世代とって、明日からの一歩につながるヒントになったのではと思います。
■記念シンポジウム■
記念シンポジウムでは、パナソニック ホールディングス株式会社 執行役員の小川理子氏をゲストにお迎えし、「女性技術者として大切にしてきたこと」をテーマにご講演いただきました。小川氏がキャリアの中で経験された大きな転機や困難に対しても、信念と情熱を持って挑戦を続けてこられた姿勢は、立場を問わず多くの方の心に響くものだったのではないでしょうか。
また、サイエンスとアートという一見かけ離れた領域を融合させるという壮大なテーマは、人類全体の挑戦であると感じました。日々の感動や感性の積み重ねが個々の能力となり、それをテクノロジーとしてかたちづくることで人々の生活をより豊かにしていく、その考え方は、すべての技術者に共通する使命であると、改めて感じさせられる講演でした。

小川理子氏
本年は、4年ぶりのオンサイト開催に加え、オンライン配信を合わせて実施いたしました。理事一同準備を進めてまいりましたが、動画再生等において不手際がありましたこと、心よりお詫び申し上げます。
それでも、会場で受賞者や記念シンポジウムのゲストの方と直接お話ができる場というのはやはりオンラインだけでは得られないヒントや気づきもあり、また、JWEFの活動の意義を改めて感じられる式典となったのではないかと考えております。
今後とも、会員の皆様のご協力のもと、JWEFの活動を続けてまいります。

受賞者、会場参加の皆様との記念撮影
参加者
会場:26名 オンライン:22名