大橋陽子(個人会員)
女子中高生夏の学校(ナツガク)は2005年にスタートし、国内最大級の女子中高生の理系進路選択支援事業として、科学技術振興機、国立女性教育会館をはじめとする団体、企業、個人のご支援で発展し、継続されている取り組みです。今年度は8月9日(土)~11日(月)の期間で、はじめて国立オリンピック記念青少年総合センターにおける開催となりました。
JWEFは2日目の「研究者・技術者と話そう」という30以上の理工系学協会・研究機関・企業によるポスター展示に参画し、昨年に引き続き、JWEFと女性技術士の会、チーム・技魔女と3つの団体が協力して1つのブースとして展示しました。JWEFは爽やかな水色基調のポスターで、JWEFの活動概要と5名のJWEF会員のキャリア(中高の進路選択、大学時代、就職後から今)をロールモデルとして展示しました。会員のお子さんの折り紙作品や手作りうちわを含めた温かいアートが彩りを添えてくれました。
女性技術士の会は、Can, Will, Mustを深掘りすることで自分らしい選択を促し、チーム・技魔女は、アニメと現実社会のリケジョを立体的なポスターで親しみやすく表現されていて、団体ごとに特徴のある展示内容でしたが、3団体が“女性技術者を増やす”という共通目的を持っていることで、効果的な展示になっただけではなくアテンド同士の交流も生まれていました。
関心はあるが理系に決め切れていない方、興味が明確で実現することが分からず参加されている方、それぞれでしたが、進路について迷いながらも真剣に考えていらっしゃる生徒さんばかりでした。工学、化学、情報他、多様なバックグラウンドを有するJWEF会員がポスター展示のアテンドをしたことで、生徒や学生TAのみなさんの興味に合わせて、有意義な質疑対応をすることができました。90名の女子中高生と33名の学生TAの方々が参加されており、多くの展示を時間内に見て回る必要があるため、来場者にポスター、チラシのQRコードが掲載されているJWEFの名刺大カードをお渡しして、あとで見ていただくという形式を取れたのは効果的だったように感じました。
私が対応をさせていただいた中で、ご自身が中学3年時にナツガクに参加され、興味を持っていることが明確になり、進路選択の参考になったため、TAとして中高生を支援しているという方に出会いました。長年にわたるナツガクの取り組みが理系における進路を目指す生徒さんの将来の可能性を具体化し、貢献していることを実感しました。私は小学4年の娘がおり、算数、理科に興味を持っているようなので、いつかナツガクに参加して、将来の進路の可能性について理解を図り、選択肢を広げてほしいと一母親として感じました。
今後もナツガクへ参画し、研究の楽しさや社会とのつながりを分かりやすく伝えることで、女子中高生のみなさんが幅広い理工系分野について理解する機会になり、興味・関心が芽生えてくれることを期待しています。