2020 APNN参加報告(2020年10月24~25日)

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個人会員 仁田工美

1.学会期間  2020年10月24日(土)~10月25日(日)

2.場所  New Taipei City Hall 及びオンライン:Google meet 及び初日のトラブルからYoutube併用)

3.概要

コロナ禍の影響で、台湾への渡航が厳しく制限されているため、オンライン併設で開催。

なお、台湾国内では現在国際会議等集会の制限はないとのこと。

https://www.2020apnn.twist.org.tw/

 プログラムは以下

https://www.2020apnn.twist.org.tw/program

1日目は参加16か国からのCountry Report(各国の状況とトピックスの発表)

2日目はKeynote Lecture、5つのテーマパネル(STEM Women at Work、Gender perspectives for sustainability、Gendered Innovations in STEM、Gender Perspectives in STEM education、STEM Women Networking)等

 オンラインでの開催参加費はFree

4.APNN概要

INWES (International Network of Women Engineers and Scientists)*の地域ネットワーク会議であるAPNN (Asia & Pacific Nations Network) の第10回目となる国際会議が開催された。本会議は、アジアの女性科学者や技術者が研究成果や政策、および最新の情報を交換するための場として、毎年異なる加盟国で開催される。

今回は、台湾台北市にて開催され、併せてオンラインでの開催となり、2020 APNN& IConWiST、Alliance for Women in STEM –Making Change for an Inclusive Societyのテーマで、アジア太平洋の23ヶ国から380名余がオンラインで参加した(現地参加者数は未発表、前回ネパール会議の参加者は14ヶ国から66名)。日本からはjJNWES(日本女性技術者科学者ネットワーク)のメンバーを中心に13人のオンライン参加を確認した。JAXAが(女性活躍の観点を含め)魅力的な職場であることを国際的にアピールし、世界の一流人材のJAXAへの応募意欲を高めると共に、アジア圏における女性技術者科学者の動向調査、女性技術者の情報交換、国家的な視野でのダイバーシティの議論や施策についての議論を実施した。

 *INWES:INWESは現在60カ国以上の理工系の同分野・同業者・同世代間だけでなく、異分野・異業種、また、文化や信条、世代や国境を超えた女性技術者、科学者で構成されるグローバルネットワーク。1964年第1回国際女性技術者科学者会議 (ICWES-1:International Conference of Women Engineers and Scientists)がアメリカで開催され、それ以降3年毎に各国でICWES会議を開催し、2002年7月にカナダのオタワで開催されたICWES-12で、NPOとして INWESの組織が発議・誕生。1999年7月には, ICWES-11が日本で初めて開催され、35ヶ国から総勢1,400名が集まった。

4.1 カントリーレポート発表国

 バングラデシュ、インド、日本、韓国、マレーシア、モンゴル、ミャンマー、ネパール、ニュージーランド、パキスタン、フィリピン、シンガポール、台湾、ベトナム、スリランカ、オーストラリア その他、キーノートスピーチ等でイギリス、アメリカ、ドイツ等が参加。 

4.2 今までの開催地と議長国

4.2.1 開催地

1st Annual Meeting (July 19, 2011) Adelaide, Australia, Hosted by Engineers Australia

2nd Annual Meeting (June 13, 2012) Kuala Lumpur, Malaysia, Hosted by IEM

3rd Annual Meeting (Sept. 14, 2013) Taipei, Taiwan, Hosted by TWiST

4th Annual Meeting (July 30, 2014) Seoul, Korea, Hosted by KWSE

5th Annual Meeting (June 25, 2015) Ulaanbaatar, Mongolia, Hosted by WSTEM

6th Annual Meeting (August, 18, 2016) Wellington, New Zealand, Hosted by IPENZ

7th Annual Meeting (July, 14, 2017) Yokohama, Japan, Hosted by JNWES

8th Annual Meeting (October, 18, 2018) Hanoi, Vietnam, Hosted by VAFIW

9th Annual Meeting (September, 21, 2019) Kathmandu, Nepal, Hosted by WISENEPAL

 

4.2.2 議長国

2011~2014 KWSE (Korea)

2014~2017 JNWES (Japan) played a key role in INWES APNN as the second chair organization 2017~2020. TWiST (Taiwan) ­

2021 からのAPNN ミーティングの議長国はモンゴル

 

5.所感

・日本からは、今回は女性技術士の会から飯島氏がカントリーレポートを報告した。タイムリーな話題として「ポテトサラダ」を取り上げ、日本の進まない現状を報告した。

・前回時に続き、日本の理系に占める女性割合は底辺を独走中、韓国がやや上回っており、ただし政府援助の規模が格段に違う。その他アジア諸国は大学レベルでは学科によって異なるが、概ね50%程度と人口比と変わらないことを再確認した。

・ベトナム、シンガポールが初めての女性技術者科学者会議を実施したと成果を発表していた。

・上述2か国のように比較的新しい参加国の国内会議にオーストラリアが積極的に参加しているのが印象的であった。

・インドやパキスタンは、男女格差よりは経済格差、貧富やカーストの影響が大きいようであり、例えばパキスタンの農村女子の識字率は36%と大変低く、STEMへのいざない以前の問題も山積しているように見えた。

・オンライン会議は事前(1週間ほど前に2回程度)に発表者、司会者練習があり、かつ当日も直前に発表者の部屋に集合して段取り合わせと、リアルとオンラインのデュアルでの開催はかなりリソースが必要であることを痛感した。

・初日Googlemeetでのloginに登録漏れがあり、私を含め3人が当初参加できなかった。あっという間にYoutubeでの中継が始まり、2日目にはGooglemeetでのloginも可能となっていた。ウェビナーも用いて、リアルとオンラインを両立させる台湾のIT技術、会議運営技術を目の当たりにした。

 

6.今後の予定

 次回から議長国がモンゴルに変わり、2021年の開催国はフィリピン、セブ島で実施されるとのこと。