【報告】2014年度JWEF奨励賞授賞式および記念シンポジウム #JWEF

点線

運営委員 長曽我部 紀理子

未来に輝く技術者へ
〜Cool heads but warm hearts, 情熱に火をつけよう〜

概要

日時

2014年10月26日(日)13:30-16:40

場所

東京大学本郷キャンパス工学部11号館講堂

JWEF奨励賞受賞者および受賞記念講演者

寺本 年世さん
株式会社デンソー 電機システム技術部 設計室 設計3課 担当係長
受賞記念講演タイトル:「勇気を持って歩み続ける技術者に伝えたい 私のメッセージ」

記念シンポジウム基調講演者

松島 正秀氏
一般社団法人 日本自動車部品工業会 技術担当顧問
基調講演タイトル:「これからの技術者に期待される夢と要件 ~自動車産業の発展と未来~」

司会:長曽我部 紀理子(JWEF運営委員)
参加者:法人会員3名、個人会員20名(3名)、一般14名、合計37名。 ():学生うち数

秋も深まり始めた2014年10月26日に、2014年度JWEF奨励賞授賞式、記念シンポジウムおよび懇親会を開催しました。
本年度のJWEF奨励賞受賞者は、株式会社デンソーにて現在次世代車両の電源システム開発の開発リーダとしてご活躍されている寺本年世さんです。

奨励賞授賞式では、冒頭、金田JWEF運営委員長より受賞者の発表と共に受賞理由の報告がありました。寺本さんの、組織への積極的な働きかけを通じた高い成果や、新しい業務へのチャレンジ、女性の視点を活かしたリーダーシップといった仕事への取組みと、女性技術者としてのワークライフバランスがとれている点や育児休暇中に知的財産管理の勉強を開始し、3級を取得するという努力家である点などがロールモデル足りうるという理由で受賞に至りました。
また、本賞の創設者であり基金を拠出頂いたJWEFアドバイザリーボードである都河明子先生から、本賞の創設、働く女性をとりまく世の中の動向、JWEFや女性の活躍への期待についての想いを添えて、お祝いの言葉を頂きました。
金田運営委員長より賞状と楯を、都河先生より副賞(10万円)が贈呈されました。続いて、昨年の受賞者 上新原十和さんからのお祝いとして、代理で JWEF運営委員の弥富より花束とメッセージが贈られました。また、今年は一般社団法人自動車部品工業会からのお祝いとして、記念シンポジウムにてご講演頂く松島氏より記念品が贈呈されました。最後に、本定例会の後援でもあり、外部アドバイザリーボードの経済産業省大臣官房審議官の平井様よりお祝いのメッセージを頂きました。経済産業省 経済社会政策室 男女共同参画・子育て担当の宇留賀美穂様より代読頂きました。


受賞者を囲んで
受賞者の寺本年世さん(中央) 基調講演者の松島正秀氏(上段右)
浅田忠利さん(寺本さんの上司)(上段左)
金田運営委員長(下段左) 都河明子先生(下段右)

 

本賞受賞者の株式会社デンソー 寺本年世さんの受賞講演タイトルは「勇気をもって歩み続ける技術者に伝えたい 私のメッセージ」です。ロールモデル不在の中、第1子妊娠時には退職も考えたとのこと。しかし、上司の後押しで、業務と両立できる仕事の進め方を考え、ご家族の協力を得て、技術職を続ける決心をしたそうです。しかし、母業兼務の現実に苦しむ日々もあり、そんな時に、上司からの「SkillよりWill(WillさえあればSkillは後から身に付く)」という言葉や「May I help youの精神を持っていますか。」という役員の言葉に、今の自分にできることについて考えるきっかけになったことをお話し頂きました。起床から就寝までの寺本さんご本人とご家族の役割やスケジュールについても具体的にご紹介頂き、家族が一体となって工夫している姿が目に浮かぶ様でした。


ご講演中の寺本さん

 

最後に、『May I help youの精神「私にできる事ありませんか?」』から「自分自身を深く知る」そして「自分を認める」これを繰り返すことで、自ら成長し、そしてチャンスをつかむことができると強く語ってくださった寺本さん、ますます飛躍されていくことを確信しました。

 

続く基調講演では、一般社団法人 自動車部品工業会 技術担当顧問の松島氏よりご講演頂きました。タイトルは「これからの技術者に期待される夢と要件 ~自動車産業の発展と未来~」。ヘンリーフォード氏の発想や、スローン氏による組織改革といった世界の自動車産業の歴史を紐解きつつ、日本の自動車産業の成長と最新技術への取り組みをお話し頂きました。日本の産業を牽引する自動車産業成長の歴史は、他の産業にも通じるものがありました。数々の偉人の言葉や発想方法、エピソードを交えたお話など、非常に関心高く聴講させていただきました。


ご講演中の松島氏

 

最後に、短い時間ではありましたが懇親会を開催しました。JWEFに関心を寄せていただき今回始めて参加された方も数名いらっしゃり、闊達なコミュニケーションの場となりました。


懇親会風景

 

JWEF奨励賞授賞式に参加して

外部アドバイザリーボード
経済産業省 経済社会政策室 男女共同参画・子育て担当
宇留賀 美穂

今回、経済産業省経済社会政策室を代表してJWEF奨励賞授賞式に出席させていただきました。
受賞者の寺本さんの、今の自分にできることを常に考える姿勢、自ら働き方を提案するなど、受け身でなく主体的に行動する姿勢には大変感銘を受けました。育児や介護など、事情を抱えながら働く人は多いかと思いますが、その中で自分にできることを模索していく前向きさは本当に素敵だなと感じました。
また、上司や家族の理解・協力を上手に求めるなど、一人で抱え込まないことが仕事と育児の両立の秘訣なのかなとお話を聞く中で感じました。
まだまだ理系女子は少なく、ロールモデルとなる方が少ないのが現状かと思います。実際に子育てをしながら企業で活躍されている寺本さんのような女性がこのような場でお話をされることで、多くの理系女子の励みになっていくのではないかと思います。私自身も(理系ではないのですが)、働く一人の女性として、今回のイベントは今後のキャリアを考えるきっかけとなりました。
経済産業省としても、引き続き理系女子の活躍を応援していきたいと思います。
貴重な機会をいただき、JWEFの皆さまにも感謝いたします。ありがとうございました。

 

女性技術者の方々からお話をきいて

学生会員 浦江 望於

今回はじめてJWEFの活動に参加させていただきました。学生の参加者が少なかったため緊張してしまいましたが、交流会ではたくさんの女性技術者の方々とお話することができ、とても有意義な時間を過ごすことができました。
奨励賞を受賞された寺本さんは、家事と仕事を両立するにあたってどのような困難に直面し、解決策を生み出したのかを具体的に教えてくださいました。お話をきいて、家事をしながら仕事を続けていくことがどれほど難しく、貴重なことなのかを知ることができました。
寺本さんのお話、交流会のときに教えていただいたお仕事のお話が、学校を卒業したもっと先の進路について考えるきっかけとなりました。お話してくださった方々と同じように私もいつか自分の仕事について話せる技術者になりたいし、同じように技術者である女性を支える力になれたらいいなと思います。

▶ 「2014年活動実績」ページに戻る

Copyright © Japan Women Engineers Forum. All rights reserved.